皮膚の凹凸やしわを改善するための治療法です。具体的には、皮膚の下にある異常な線維組織を切断し、コラーゲンの再生を促進することで、皮膚の平滑化を図ります。
従来は太い針状のメスを刺して切開していましたが、出血や痛みを伴うため苦痛の多い治療でした。
このため、当院では行っていませんでした。
これに代わる治療として
エアージェントやその後継機エナージェットというヒアルロン酸を空気圧でニキビ跡の陥凹下に注入し、組織を破壊してヒアルロン酸で置き換えて治療する機械を導入しました。
原理はヒアルロン酸を空気圧で注入することで瘢痕底をサブシジョンし、さらに広がった部分に入ったヒアルロン酸が入ることで陥凹が持ち上がり、その後創傷治癒機転で自分のコラーゲンが合成され、ヒアルロン酸に置き換わる治療でした。
理論的には素晴らしい治療でしたが、ヒアルロン酸の注入が安定せず、そのため効果にばらつきが多くなり、スタンダードな治療にはなりませんでした。
また、サブシジョンだけでも時間をかけて瘢痕が持ち上がり、陥凹が改善してくるのですが、これにはある程度時間が必要で即効性はありません。また充分に持ち上がらない場合もあります。
このため治療後から結果を出し、さらに持続的な効果を期待して、サブシジョン後の空間にコラーゲンの合成を促進する薬剤を充填する治療を併用する事も試みられています。ただし注射器を用いて手打ちで注入するため、均一に注入できない(柔らかい組織に薬剤が流れ、目的の組織に入らない)ことも多く、やはり治療効果にばらつきがありました。